年の瀬に想うこと [雑感吐露]
江戸川の土手をよく歩く。見渡せば、かつて豊かに広がっていた水 田は、そして子どもたちがかくれんぼで遊んだ土手際の麦畑は、 今やブルドーザーが唸りをあげて耕地を削り均して見る影もない。 やがて、延べ床面積90万平米に及ぶ「国内最大規模」とも目され る物流施設が市内江戸川沿いに建つというが、はてこれが発展か★ 「産」を畳み、なにを流通させるのか。 インバウンド効果に現を抜かして「費」に勤しんではいられないの では?食料自給率をみてみれば、我が国は先進諸国のなかで、 最低基準という体たらく。「産」を軽んずる例はほかにもあるぞ。 山林はどうか。植林もせずにただ伐採。 挙句は自給に名を借りてのソーラー事業。 山林は削られ山肌剥き出し。 雨が降れば土石流の恐れもあるという。 家庭でみればミシンや編み機は消え、 食事としての調理作業がかろうじてあるものの、 それとてあと何年か。趣味以外での調理は淘汰されるだろう。 並べてホームメイドは死語となるのでは★輸入という名の水道の蛇 口を閉められれば、日本はイチコロではないか。 日本が外資に貪られるのはIRにとどまるまい★「 帰りなんいざ田園まさに荒れんとす」。 役人生活の果てに陶淵明はかろうじて「素」 の暮らしにもどれたが、ぼくたちはどうだろう。 そんなことを考えるとどうにも落ち着かない年末だ★とはいえ「 去年今年貫く棒の如きもの(虚子)」。どうか、よい年をお迎えく ださい。
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