映画「ニューワールド」を観た。
▼試写会に行った。久しぶりだ。タイトルは「ニューワールド」。原題には「The New World」と《The》がはいっている。だれにとってもあるニューワールドではなく、あなたにしかないThe New Worldということなのだろう。▼なに不自由なく、だれからも好かれて暮らしていたあなたに突然旅人が現われた。彼はあなただけではなく、あなたの周りのだれもが見たことも聞いたこともないような風貌で、さまざまな道具とともに現われた。▼テレンスマリック脚本・監督の映画「ニューワールド」は対比の映画だった。旧と新、都市と原野、石と緑、旅と家、浮遊と定着、脱出と侵入、冒険と休息、女と男。《タイタニック》でアカデミー賞を受賞したジェイムズ・ホーナーの叙情的で澄明な音楽にのって、あらゆる対比が次から次に現われては消えてゆく。旅や冒険に惹かれる男と、家庭をたいせつに定着を図る男、その狭間で揺れる主人公「王の娘ポカホンタス」。あなたならどうする?▼映画の始まりと終わりに背景として出てくる《古地図》はまさに人生という長旅を暗示して妙だ。▼自宅へ急ぐ道すがら街灯に揺れる桜、桜。妻をたいせつにしてやろう、などとふと思いついた。了
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